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立命館大学における
性の多様性に関わる
学生支援の対応ガイドライン

Ⅰ.立命館大学における性の多様性に関する基本的考え方

立命館大学は、建学の精神「自由と清新」、教学理念「平和と民主主義」のもと、立命館憲章において、国際相互理解を通じた多文化共生の学園を確立する、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもって人類と地球の持続可能で平和な未来を切り拓く人間の育成をめざしていくことを掲げています。さらに学園ビジョンR2030では、社会のあらゆる多様性を前提とし、個人の意見や考え方の違いを理解・尊重し、他者と協働しながら多様なつながりを育み、その多様性を生かし、個人と組織が互いの価値を高めあう「ダイバーシティ&インクルージョンを実現する学園」をめざしています。

こうした理念のもと、本学ではだれもが個人の性のあり方を理由とする不利益な扱いや精神的苦痛を受けることなく学修し、学生生活を送ることのできる環境を整えていくこととしています。また、お互いが多様性や価値観を認め合うことができるよう、教育・研究活動を含めて環境改善、理解促進、啓発の取り組みを推進していくこととしています。

以下は、上記の基本的考え方に基づく現時点における本学の対応内容と方針をまとめたものです。今後対応の具体化と環境整備を進めていく中で、必要に応じて改訂していくものです。

Ⅱ.現状における具体的な対応方針

1.氏名・性別の情報とその管理

学生の皆さんは、本学のキャンパスで学ぶにあたり、ご自分がどのような氏名や呼称に基づいて他者から認識されたいかを選択することができます。この項目では、学生の皆さんの氏名や性別など、個人情報の取り扱い状況及び柔軟な調整のあり方を記載しています。

(1)氏名表記方法、通称名の使用

相談先学びステーション(朱雀は独立研究科事務室)

本学では「立命館大学学籍に関する規程」に基づき、学籍簿、卒業証書および学位記ならびに各種証明書等に記載する学生の氏名の表記は「戸籍上の氏名」「住民票の写しもしくはそれに代わるもの」「または旅券に記載のあるアルファベット」としています。また、学生が希望するときは当該学生の氏名を通称名で記載しています。

通称名の使用を希望する場合は、「通称名使用申請書」を提出して頂きます。使用する通称名が確認できる公的な書類等がある方は提出していただきますが、提出できない方でも申請が可能です。

(2)性別情報

相談先学びステーション(朱雀は独立研究科事務室)

本学では、戸籍上の性別を登録・管理しています。戸籍上の性別を変更した場合は、「変更届」を提出し、変更手続を行ってください(2020年12月時点)。当事者の意図しない形で本人の性別情報が公表されることがないよう、性別情報を慎重に取り扱うべく、下記の取り組みを推進していきます。

  1. 1学生に配布・開示する情報(名簿等)については原則、性別欄を除くよう全学的に周知する。
  2. 2会議資料等に於ける性別情報記載の必要性を改めて検証し、これの削除・記載方法の変更を進める。
(3)大学が発行する証明書、諸書類における性別記載

相談先学びステーション(朱雀は独立研究科事務室)

各種証明書における性別記載は下記のとおりです。証明書や各種書類への性別記載の必要性については今後も各組織と検討を進め、在学中に学生が記入する書類や各種調査において、原則として性別欄を設けないように環境整備していきます。ただし、①入学手続き書類、②健康管理に関わる情報、③宿泊を伴うプログラムへの申し込み、などは性別欄記入を廃止できません。その場合は、性別欄記入の必要性を説明するとともに、①性別欄記入を任意や自由記述式にする、②「男」「女」に加えて「その他」の欄を設けるなどの工夫を検討していきます。

証明書

  • 各種証明書
性別は記載しません。
「健康診断証明書」については、2021年度から性別記載を廃止予定です。

卒業後の証明書

相談先学びステーション(朱雀は独立研究科事務室)

卒業後の証明書は基本的に在籍時の氏名で発行しています。しかし卒業後に戸籍上の氏名を変更し、大学在籍時の氏名ではなく、変更後の氏名記載を希望される場合、①戸籍上の氏名を変更していることが住民票等で確認できる、②在籍時の氏名で発行すると不利益が生じる、の2つの条件を満たすことで対応が可能です。

2. 授業

授業は、学生の皆さんがそれぞれの興味関心に基づいて学びを実現する場です。しかし授業によっては、学生の皆さんが学びにくさや不安を感じる環境や条件があるかもしれません。この項目では、授業において学びにくさや不安を誘発する可能性がある状況と、それに対する柔軟な調整のあり方を記載しています。

(1)スポーツ実習科目の履修

相談先教養科目:共通教育課/専門科目:所属学部事務室

本学で開講しているスポーツ実習科目の中には、専用ウェアの着用が必要な科目(水泳や柔道など)があります。また更衣については希望があれば下記対応をしています。

更衣室

施設設備の状況によって必ずしも希望に沿えるとは限りませんが、更衣室の利用について個別対応を希望される場合は事前に相談することができます。

(2)学外実習(教育実習等)の履修

相談先実習受付窓口

トイレ、更衣室、服装等に関する事前の確認についての相談をすることができます。また、実習先のプログラム内容の詳細を検証し、個別のご事情に応じた参加の仕方などを、一緒に検討することもできます。

(3)授業運営(グループ分け、呼称)

相談先授業担当教員/所属学部・研究科事務室

誰もが安心して参加できる授業環境を目指し、本学では次の取り組みを進めていきます。

  1. 1コースメンバーリスト(manaba+R)から性別記載欄を削除(対応済)
  2. 2不必要な性別によるグループ分けが行われないよう周知
  3. 3男女共通の呼称「さん」の使用を推奨
    外国名の学生についても呼称を「さん」で 統一することを推奨(Smithさん等)
  4. 4本人の希望に沿った呼称を使用できるよう調整(希望者はご相談ください)
(4)宿泊を伴う企画

相談先企画実施者

本学では、学生や教職員主催の合宿企画があります。参加の検討にあたり、合宿の意義・目的や宿泊先の施設要件(部屋割や浴室・トイレなど)、プログラムの詳細を確認し、参加の仕方を相談することができます。大学は、学生の皆さんが安心して参加できる環境を可能な限り実現することを目指します。

3.学生生活

本学では、学生の皆さんにとって安心できる、居心地がよいキャンパス創りを目指しています。この項目では、学生生活の基盤を担う制度や施設・イベントなどに関する情報や選択肢などを記載しています。

(1)健康診断

健康診断の受診は、皆さんが健康的な学生生活を送るうえで大変重要です。また、定期健康診断は「立命館大学学生健康診断規程」で学生に受診が義務づけられています。
毎年必ず受診してください。さらに健康診断証明書が必要(実習・留学・就職活動)な場合や課外活動の参加等に受診が必要となる場合があります。

①定期健康診断

相談先企画実施者

受診については、次の3つの選択肢があります。

  • a)集団健診:男女別に時間と場所を分けて実施されます。他の人がいる環境下で部分的に上半身を露出する場面もあります(レントゲン検査など)。
  • b) 個別健診:事情により、集団健診の受診が困難な場合は事前予約により個別健診の受診が可能です。
  • c)学外での健診:学内で実施しているものと同じ検査項目を満たしていることが必要です。受診費用は個人負担となります。受診後、健診結果を保健センターに提出してください。なお、この結果を元に健康診断証明書は発行されませんので注意してください。

②体育会健診

相談先スポーツ強化オフィス

体育会健康診断は、毎年、体育会クラブ等に所属する学生を対象として5月頃に実施をしています。体育会での活動にあたり、受診が必要です。スポーツ強化オフィスから体育会クラブを通じた案内に従って、該当者は必ず受診してください。
保健センターが実施する①の定期健康診断(毎年4月実施)とは別に、「血液検査」等の項目について追加で実施するものです。実施形態は集団健診で、男女分かれたエリアで実施する項目(心電図)とそうでない項目があります。事情により集団健診の受診が困難な場合は、予めご相談ください。

(2)施設利用

①トイレ

相談先企画実施者

本学には、「男女別トイレ」及び誰もが利用できる「多目的トイレ」が設置されています。多目的トイレは独立して設置されているもの、また、男女別トイレの内部に設置されているものがあります。多目的トイレの場所は『バリアフリーマップ』にてご確認ください。今後も本学では、学生の皆さんそれぞれが、自分の希望に応じたトイレを安心して使用できるよう、環境整備を進めます。

②宿泊施設

  • セミナーハウス
相談先地域連携課
セミナーハウスは、各キャンパスに配置されています。施設設備は、下記HPでご確認ください。更に詳細な情報をご希望の場合は、ご相談いただくことができます。
  • 国際寮(インターナショナルハウス・グローバルハウス)
相談先国際教育センター
各キャンパスの国際寮(インターナショナルハウス/グローバルハウス)は、多様な国籍、言語、文化的背景の異なる学生が共に学び暮らす場を提供しています。寮によりそれぞれ特徴がありますので、下記HPをご参照ください。入寮を希望検討している場合、ご希望に添えない場合もありますが、所属キャンパス国際教育センターの寮担当窓口までご相談ください。また入寮中もご相談いただけます。
  • 体育館・ジムなど
相談先スポーツ強化オフィス/共通教育課
キャンパスによって詳細な設備は異なりますが、アリーナ、トレーニングルーム、更衣室(男女別)、シャワールーム(男女別)、トイレ(男女別/多目的)が共通で整備されています。施設設備は下記HPでご確認ください。更に詳細な情報をご希望の場合は、ご相談いただくことができます。
(3)式典等における服装

相談先入学式・卒業式以外:担当部課

入学式・卒業式には、参加者それぞれの多様なアイデンティティに基づいた服装や身なりで参加することができます。参加されるみなさんは、式典であることを踏まえたうえで、自分らしい、式典にふさわしい服装や身なりで参加してください。入学式・卒業式以外の式典等の服装については、当該式典の担当部課にご相談ください。

(4)課外自主活動

相談先学生オフィス/スポーツ強化オフィス(体育会所属の場合)

学生の自主的な活動である課外自主活動においても、本ガイドラインを適用し、すべての学生が安心して課外自主活動に取り組める環境整備を進めます。課外自主活動への参加に興味がある皆さんは、まず、不安や懸念を理由に参加することを諦めないでください。活動内容について説明を聞き、活動環境についての情報を集め、どのような支障が考えられるか、またどのような対応の必要性が生じるかをあらかじめよく検討しましょう。ご自分にあった団体や活動を選択できるよう、上記窓口が皆さんのご相談に応じます。

(5)就職活動・インターンシップ

相談先キャリアセンター

2017年に日本経済団体連合会が「ダイバーシティー・インクルージョン社会の実現に向けて」を公表し、LGBTへの企業の取り組みの方向性について具体例を挙げて示しています。行政においても対応にかかわる指針や条例などが制定される動きが進んでいます。事前に、各企業や団体の方針や対応に関する情報を確認することをお勧めします。

学内で開催する就職活動準備のガイダンスやセミナーの参加に、スーツ等の着用を求めることは原則ありません。学内外で実施される企業説明会への参加にあたっては、スーツ着用を推奨する場合があります。これらの企画参加にあたって、参加の際に提出する個人情報や服装について心配や相談事がある場合は、上記窓口にご相談ください。

(6)海外留学

相談先所属学部事務室/国際教育センター

海外留学にあたっては事前に渡航先の性に関する文化・法律・制度などを調べ、理解しておくことをお勧めします。大学で募集する留学プログラムにおける受け入れ先での学習、生活環境についての情報提供、支援体制などは上記窓口で確認することができます。不安なことがあれば、相談先にご相談ください。

4.相談窓口

(1)学生相談の総合案内(学生オフィス)

KICキャンパス研心館2F
075-465-8174
sns-k[at]st.ritsumei.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。
BKCキャンパスセントラルアーク1F
077-561-3951
sns-b[at]st.ritsumei.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。
OICキャンパスA棟1F AS事務室
072-665-2130
sns-oic[at]st.ritsumei.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。

(2)ダイバーシティ&インクルージョンに関わる総合相談窓口(D&I推進室)

朱雀キャンパス7F
075-813-8610
dcontact[at]st.ritsumei.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。

相談先一覧

1.氏名・性別の情報とその管理
(1)氏名表記方法、通称名の使用 学びステーション/朱雀は独立研究科事務室
(2)性別情報 学びステーション/朱雀は独立研究科事務室
(3)大学が発行する証明書、諸書類における性別記載 学びステーション/朱雀は独立研究科事務室
2.授業
(1)スポーツ実習科目の履修 教養科目:共通教育課/専門科目:所属学部事務室
(2)学外実習(教育実習等)の履修 実習受付窓口
(3)授業運営(グループ分け、呼称) 所属学部・研究科事務室
(4)宿泊を伴う企画 企画実施者
3.学生生活
(1)健康診断 ①定期健康診断:保健センター
②体育会健診:スポーツ強化オフィス
(2)施設利用 セミナーハウス:地域連携課
国際寮:国際教育センター
体育館・ジム等:スポーツ強化オフィス/共通教育課
(3)式典等における服装 入学式・卒業式以外:式典担当部署
(4)課外自主活動 学生オフィス スポーツ強化オフィス(体育会所属の場合)
(5)就職活動・インターンシップ キャリアセンター
(6)海外留学 所属学部事務室/国際教育センター
4.相談窓口
(1)学生相談の総合案内 学生オフィス
(2)ダイバーシティ&インクルージョンに関わる総合相談窓口 D&I推進室

※上記の連絡先は「立命館大学 お問い合わせ」から確認できます。