PROJECT
挑戦する職員たち

EPISODEOIC開設

「今までにない」を創り出す。
それが立命館のDNA。 ‐大阪いばらきキャンパス開設にかける想い‐

文理融合のBKC(びわこくさつキャンパス)、日本初の本格的な国際大学APU(立命館アジア太平洋大学)
これまでにまったく新しいコンセプトのキャンパスを創り出してきた立命館が2015年4月に新たに開設したのがOIC(大阪いばらきキャンパス)だ。
このビッグプロジェクトにも従来の大学の発想を超えた数々のBeyond Bordersがあった。
OIC開設を成功に導いたメンバーたちのそれぞれの挑戦を聞いた。


Nの挑戦

「今までにない」を創り出す鍵は、熱く共鳴しあえる同志をいかに増やすか。

都心部に地域の方々に開かれ、国際性に溢れた、新たなキャンパスを創る。
グローバル化が進む時代の変化を予見して「今までとはまったく新しいコンセプトのキャンパスを創ろう」と開設したAPU以来のビッグプロジェクト。少子化が進み、大学存続が問われる時代に、立命館大学として改めて「どんな学生を育てるか」「どんな学びの環境を創っていくか」「地域と大学のあるべき関係は」という使命感にも似た想いのもとに始まった、私たちの新たな挑戦でした。

変革には必ずと言っていいほど反対意見がつきもの。今回のOICも同様に、関係者の不安の声が挙がっていました。
しかし、立命館はこれまで不可能だと思われることも実現し、常に自らの殻を打ち破ってきました。それが立命館に流れるDNAであり、これまでの歴史と風土がすべてを物語ってくれています。

私はプロジェクトの取りまとめを担っていましたが、コアの役割は「様々な意見を踏まえた上で、同じ志と、熱意をもち、目的地を目指してくれる人を集めること」。建物だけできればいい、強力なリーダーがいてその人の言うままに進めればいいわけではない。30,000人を超える学生、2,000人を超える教職員のいる大きな組織。それぞれの環境や部署の問題意識、事情を汲み取りながら、お互いにとってプラスになるよう同じ思いを持って進めてくれるメンバーを増やすことが重要。大学は人を育てるところで、唯一と言っていい資源は人。「人」が何よりも大切なんです。一つひとつの課題を共有し、キャンパスが完成していく過程を共に楽しむ。人と人との関係を強く結びつけること。それが変革をもたらす大きな力になるし、完成後も成長し続ける原動力になる。
私はその力を信じて、このプロジェクトの必要性と可能性を伝え続けてきました。

Kの挑戦

「学びは変わっていく」を前提に、これまでの教育概念を超えていく。

OICにあるLearning StudioやLearning Theaterといった「教室」は、かくあるべきものという固定概念では創れませんでした。正しくは創れなかったのではなく、創る必要性がないと考えていたかもしれません。しかし、OICではPBL(Project/Problem based Learning)、フィールドワーク、グループディスカッションやディベートなど能動的な学習スタイルを取り入れた「アクティブ・ラーニング」に対応することの必要性が芽生え、固定概念に捉われない前述の2つの「教室」に加えて、「Colloquium」といった特徴的な「教室」を創りました。

基本的にレイアウトのデフォルトは決めずに「自由にデザインしてください」と先生たちにも提案しています。

学生の反応は想定以上で、日々什器の配置が変わっていたり、Peer Boxという四角い箱を遊び心や発想力を用いて組み合わせてみたりと、私たちも驚くような使い方をして楽しんでくれているようです。見るたびに「教室」やコモンズと呼ぶ共有のオープンな空間のレイアウトが違い、そこから空間活用のヒントをもらっています。「ありえない」という壁を先生や学生たち、色んな方の知識や知恵をいただいて打ち破れたことが大きかった。

「学び」は5年後、10年後…と変化していくもの。今思えば「特別新しいことをした」という意識はあまりありません。これまで立命館が変化を恐れず、実現してきた到達点をさらに具体化しているのがOIC。いつの時代も学生にとって良い環境や教育を議論し続けることで、「ありえない」はどんどんなくなっていき、そのたびに新しい教育スタイルが生み出されていく。10年後のキャンパスも、学生と共に創っていきたいと思います。

Kの挑戦

自ら飛び出し、「学生」と「地域」を結ぶコミュニティ形成を仕掛けていく。

私は初めからこのプロジェクトの「本当の意味での成功」はOICが開設してからのキャンパスの姿にあると思っていました。

垣根をあえて取り払い、地域に根付き、学生の手によって創り続けられる大学。大学が地域と共生することで、学生の教育・研究・課外活動のフィールドを広げて、人生に役立つ「学び」が提供される。「教育の新しい姿」を立命館大学が世の中に提示していくと言っても過言ではないのかもしれません。

この仕事にはとても大きなやりがいがありましたし、ある程度自由に、好きなようにプロジェクト実現に向けて力を注ぐことができました。

足しげく周囲の店舗や企業、市役所に通い、「よろしくお願いします!」と名刺を配ることもあれば、地域の方々から「こんなイベントができないか」「学生のアイデアがほしいので協力してくれないか」とオファーを頂き、双方にメリットのあるように先生や学生たちと結びつける。ある意味よそ者ですから、最初は不安も多かったです。でも、飛び込んでみると地域のニーズは想像以上に高く、また「これまで関西の都市部にこんな大学はなかった」と言ってもらう、未知の挑戦に自分も参加できていることが誇らしかった。

開設して1年以上経った今、新たなキャンパスで実現した企画や学生と企業のコラボ商品がたくさんあります。ここでしか味わえない貴重な経験を、これからも学生たちに提供していきたいです。

取材日 2016年1月8日
※プロフィールは当時のものです。

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