Nの挑戦
「今までにない」を創り出す鍵は、熱く共鳴しあえる同志をいかに増やすか。
都心部に地域の方々に開かれ、国際性に溢れた、新たなキャンパスを創る。
グローバル化が進む時代の変化を予見して「今までとはまったく新しいコンセプトのキャンパスを創ろう」と開設したAPU以来のビッグプロジェクト。少子化が進み、大学存続が問われる時代に、立命館大学として改めて「どんな学生を育てるか」「どんな学びの環境を創っていくか」「地域と大学のあるべき関係は」という使命感にも似た想いのもとに始まった、私たちの新たな挑戦でした。
変革には必ずと言っていいほど反対意見がつきもの。今回のOICも同様に、関係者の不安の声が挙がっていました。
しかし、立命館はこれまで不可能だと思われることも実現し、常に自らの殻を打ち破ってきました。それが立命館に流れるDNAであり、これまでの歴史と風土がすべてを物語ってくれています。
私はプロジェクトの取りまとめを担っていましたが、コアの役割は「様々な意見を踏まえた上で、同じ志と、熱意をもち、目的地を目指してくれる人を集めること」。建物だけできればいい、強力なリーダーがいてその人の言うままに進めればいいわけではない。30,000人を超える学生、2,000人を超える教職員のいる大きな組織。それぞれの環境や部署の問題意識、事情を汲み取りながら、お互いにとってプラスになるよう同じ思いを持って進めてくれるメンバーを増やすことが重要。大学は人を育てるところで、唯一と言っていい資源は人。「人」が何よりも大切なんです。一つひとつの課題を共有し、キャンパスが完成していく過程を共に楽しむ。人と人との関係を強く結びつけること。それが変革をもたらす大きな力になるし、完成後も成長し続ける原動力になる。
私はその力を信じて、このプロジェクトの必要性と可能性を伝え続けてきました。