PROJECT
挑戦する職員たち

EPISODE
「世界を変える」社会起業家を育成するAPUの挑戦

学長室
O.R

プロジェクト遂行の裏で生まれる新たな人と人とのつながり

APU起業部を発足し「出口塾」を運営していくにあたり、現在社会で活躍する卒業生起業家の協力は不可欠ということで、校友会の事務局長として卒業生とのネットワーク構築を担当している私が運営メンバーに加わることになりました。出口塾では卒業生起業家の皆さんに、起業についての自身の経験をお話ししていただく機会を設けています。普段ネットワーク上でしか関わりのない卒業生と実際に顔を合わせてお話しできることは、私自身のやりがいにもつながっています。面識のなかった卒業生同士がこのプロジェクト参加を機に接点を持ち、業界は様々なれどお互いの悩みを相談できたり、新たなビジネスを生むことにもつながっており、卒業生にとっても貴重な契機作りができていると感じています。またこの取り組みを進める中で、校友会の中では「APU Startup Founders」というグループができるなど新たな動きが出てきました。このグループは、国境を越えて卒業生同士のつながりを作り、在校生から将来の社会起業家を創出することへの貢献を目的としています。今後は、彼らとの連携を強め、このプロジェクトをさらに強化させていきたいと考えています。

APUには個々の意見を活かせる環境がある

この取り組みの面白みとは、やはり様々な立場・所属の人が協力して、それぞれの意見を活かして横断的にプロジェクトを進めていくということだと感じています。このプロジェクトに限らず、APUでは個々の意見をしっかりと取り入れてくれる環境があり、入職から約10年が経ちますがそれはずっと変わりません。学生・教職員・約150カ国の卒業生と「世界を変える」取り組みを実現できる仲間がこれからも増えることを願っています。


アジア太平洋学部 教授、教学部副部長
NISHANTHA GIGURUWA

新たな経済の流れと学生の母国への貢献を描く

私自身、これまでの経験からベンチャービジネスの楽しさを知っており、このプロジェクトを個人として応援したいと考えました。APUが開学して今年で18年、これまでで最も「APUらしい」取り組みと言えるのではないでしょうか。世界に目を向けてみれば、シリコンバレーの大学では20年も前からこのようなプロジェクトに取り組んでいます。日本の大学でも新しいことに大いにチャレンジし、時には失敗して次へとつなげるべきだと私は考えています。今や日本における外国人労働者へのアルバイトの賃金の支払いは200億円にものぼると言われています。少子高齢化が進むこの国において、日本のために起業したいと考える国際学生を育成していくことは、その経済の流れを新たな知的財産として生み出すことにつながり、日本にとっても意義のあることだと思っています。ただ問題なのは、起業しても根ざす国の「文化」を知らなくてはなかなか継続できない。この出口塾では、その点においてもしっかりと学生に伝えていく使命があると思っています。また、日本で起業した国際学生が、事業を通してそれぞれの自国に恩返しや社会貢献をするという良いループが生まれます。そのような学生が日本でリーダーシップをとっていく日も遠くないのかもしれません。

Another View

自分で考え、自ら行動する 「自由」こそが立命館の強み

立命館アジア太平洋大学 学長 出口 治明

APUは日本の大学の中でも最もダイバーシティが進み、イノベーションが起こりやすい場所です。そのAPUで生まれた起業家・社会起業家が、「世界を変える人」となり、地元大分や広く世界で活躍する未来を信じています。私が考える立命館の強みとは「自由」であること。職員は指示待ちをするのではなく、自分で考え、自ら行動を起こすことができます。職員・教員の立場の差は、機能が違うということだけ。どちらが上ではなく、学生や卒業生も含めて皆がひとつになって立命館・APUをよりよくしていくことが大切です。元気で明るく、楽しく仕事ができる方と、立命館で共に働くことができるのを楽しみにしています。

Profile

京都大学法学部を卒業後、1972年日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを歴任。2005年には東京大学総長室アドバイザー、2006年以降は早稲田大学、慶應義塾大学の講師も務める。2006年に日本生命保険相互会社を退職し、同年、ネットライフ企画株式会社(現ライフネット生命保険株式会社)を設立。2017年に会長職を退任し2018年より立命館アジア太平洋大学の学長に就任。

取材日 2019年1月
※プロフィールは当時のものです。

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