PROJECT
挑戦する職員たち

EPISODEOIC開設

Mの挑戦

OICの強みを活かして、本当の意味での「グローバル化」を追求し続ける。

現在「OIC国際教育センター」の窓口を訪れる学生の数は増えています。「今までこんなに多くの窓口対応をしたことがない」と職員たちも驚くほどです。短期の海外留学プログラムの応募者も昨年比の約1.5~2倍に。これはOICが学生や市民の導線を考え、計画的につくられたキャンパスで、より多くの学生の視野に入るようセンターを設けたことがポイントです。また、OICに拠点を置く学部への留学生の受験者数がOIC開設とともに倍近い数字となり、キャンパスの立地も魅力の一つととらえられているのではないでしょうか。

立命館大学は「スーパーグローバル大学」として留学生数についても高い目標数値を設定していますが、キャンパスの留学生比率が現在の10%から20%を超えてきたら、“実感”が変わってくるかもしれない。学内に留学生が増えれば、自然とグローバル視点の考え方や学生同士の交流も根付きます。

OICはキャンパス全体がラーニングコモンズ、キャンパスの国際化が一気加速するかもしれませんね。在学中は分からなくても学生たちが社会人になったとき、「ここで学んだからこそ、今の自分がある」と誇らしげに感じられる環境がOICには用意されています。世界中の「OIC卒業生」を一人でも多く増やしていくために、学生のサポートをし続けていきます。

Oの挑戦

多くの方々との繋がりを大切に、地道に目指す道をたどって行く。

OICはちょっとキャンパス内を歩くだけで、学生同士がディスカッションをしたり、企業の方と教員が話をしたりする姿を見ることができます。学生と地域の方がガーデンを囲んで丁寧に手入れをしている姿も日常の風景の一つ。こういったたくさんのシーンを生み出すことがOICの目的であり、目指している姿。私のミッションはキャンパス開設の1年前から「地域社会連携」のプロジェクトを進め、地域の方にキャンパスづくりに参加してもらいながら、教職員・学生との交流も進めること。0からのアプローチで前例がなく「何をどうしたらいいのか」、良い意味で自由な反面、難しい点もありました。

現在OICでは「ガーデニングプロジェクト」「育てる里山プロジェクト」「まちライブラリープロジェクト」といった大学の教職員・学生だけでなく地域の方々を巻き込んだ取り組みが根付いています。

キャンパスができる前にフォーラムを開いて、理念に共感して一緒に取り組んでくれる地域の方々を募るところから始めました。茨木市がある大阪の特性でしょうか、人と人の距離感が近いこともこれらプロジェクトが成功した大きなポイント。大学での学びは多様化してきており、大学内だけに留まらない様々なバックグラウンドを持つ人を巻き込みながら、いかに学びのフィールドを広げられるかが重要です。私の仕事は、OICにとって「核」となる部分だと大きなやりがいと責任を感じていました。

キャンパスが開設してから学生にインタビューを行ったとき、「地域の方々がキャンパスにいるのがOICでは当たり前」「地域の方々も訪れる場所で、大人としての自覚を養えている」という答えがありました。開設前からプロジェクトを進め、何人もの人々の協力によって生み出すことのできた、OICならではの魅力だと改めて感じました。

Hの挑戦

一つひとつのアイデアに込められた「想い」にじっくりと耳を傾ける。

プロジェクトを推進していくには莫大なお金が必要です。
私は、時間とお金のリミットがある中で学内外の要望を踏まえつつ、「本当に必要なものか」「どこまで実現させることができるか」を見極めながらコストコントロールをする役割を担っていました。大変だったのはOIC創りに関わる、情熱を持った多くの方々が次から次へと良いアイデアをぶつけてきてくださったこと。非常にありがたいことなのですが、予算内に抑えなければならないというミッションを変えることはできません。調和を保つために厳しい選択することもありますが、「良いキャンパスを創りたい」という想いは私も同じ。だからこそアイデア一つひとつにじっくりと耳を傾けることを心がけ、想いが形になるよう最善策を探し続けました。

プロジェクトを推進するために、部課をこえて職員が集められ机を並べた通称「OIC島」が総合企画課にできたのですが、毎晩チームで課題についてあーでもない、こーでもないと頭をひねりました。入職3年目でこんな経験ができたことは大きな成長になりました。

いろんな人の想いが詰まったOICは今も進化し続けています。私はキャンパス開設に合わせ茨木市に移り、茨木市民になりました。「立命館が来てくれてにぎやかになったね」という声を聞くとやっぱり嬉しい。枠にとらわれず、新しいことに挑戦していくのが立命館。これからも管財課の一員として、様々な人の想いをくみ取り、形にしていきたいと思います。

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大学運営のプロ意識とインテグレート力

服部利幸 政策科学部 教授

カリキュラムの運営といった教務面で関わることはあっても、法人の企画部門の仕事で職員と関わる教員はそう多くありません。今回OIC の開設という大きなプロジェクトに携わり、そこで一緒に働いた職員メンバーからは「大学運営へのプロ意識」そして「インテグレートする力」を強く感じました。

例えば建設会社から数多くの提案を「外部の知恵」として受け入れる。しかし決して鵜呑みにはしない。キャンパス空間について積極的に先進事例を学び、他大学を視察する。教務、管財、設備、ICT、学生支援・・・各部課から集まった職員が普段の業務をヒントにし、その内に育んでいるアイデアを各自の強みをもって構想に組み込んでいく。メンバーたちは自分たちの軸をもちながら、主観に拠らず、立命館の内外の知恵をゴールに向かってどん欲に獲得し、インテグレートしていきました。

ほとんどの教員は自らの研究分野のプロであっても、キャンパスづくり、大学づくりのプロではありません。多様な教員の専門性と大学づくりのプロとしての職員の力が縦糸と緯糸のように折り重なって、大学はますます社会の期待に応えていくことができるのだと思います。

Profile

OIC開設準備室副室長として、プロジェクトを推進。新キャンパスに移転する教員のコミットメントの形成、キャンパス空間づくり、地域社会連携プロジェクトなどに尽力。会計士として関西の様々な企業の経営コンサルティングも担う。専門は管理会計、経営戦略分析。

取材日 2016年1月8日
※プロフィールは当時のものです。

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