PROJECT
挑戦する職員たち

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「立命館・社会起業家支援プラットフォーム」構想
PROJECT MEMBER PROFILE

学生の成長を第一に。

「立命館・社会起業家支援プラットフォーム」構想を起案

立命館・社会起業家支援プラットフォームとして2019年、RIMIX(Ritsumeikan Impact-Makers Inter X(Cross)Platform)が創設された。立命館ならではの強みの一つである、一貫教育の仕組みや既存の起業家支援プログラムなどの実践的な教育プログラムをつなげ、ビジネスを通じて社会課題を解決する「Impact-Makers」の育成をコンセプトに、卒業生の企業支援を行う取り組みである。この取り組みを起案し、形にしたのは、財務経理課で課長として資産運用の担当をしていた酒井 克也。彼は、立命館に入職して以降、学生の成長を第一に考える立命館の風土のもと、たとえ学生窓口のない部門で働いていたとしても、学生のために担当業務を通じて何ができるか、という問いを自らに投げかけ続けてきた。その答えを探して挑み続けていくことが、大学の存在意義につながり、そして大学という教育機関で働く職員としての役割である。このページでは、RIMIX(Ritsumeikan Impact-Makers Inter X(Cross)Platform)の立ち上げに中核として携わったSの挑戦を紹介する。


他大学をみても前例のない取り組みを始動。
学園の強みを生かした新しい支援の形。

2012年に財務経理課に異動して以降、学園の資産運用を担当していました。 従来は資産価値を保全する観点から資産運用していましたが、それに加えて、大学で働いている者として教育・研究機関に貢献したいという思いから、お金の観点で教育・研究に貢献し、さらにお金を生み出す取り組みができないかと、資産運用の次の展開を検討し始めました。

海外の大学では、基金の一部をベンチャーに投資をする等の取り組みが活発におこなわれています。その仕組みを日本の大学においても実現できないかと考え、立命館の強みの一つである、「附属校から大学院までの一貫教育」の仕組みを活用するという点に着目し、投資から研究・教育につなげる起業支援のためのファンドを創設しました。結果として2019年、RIMIX(Ritsumeikan Impact-Makers Inter X(Cross)Platform)の立ち上げにつながりました。立案当初は取り組みの構想もまだ手探りの状態で、他企業の方に相談をしながらスキームをつくるところからのスタートでしたが、「教育・研究機関としての大学でおこなう意義がある」という点で学園役員からの共感を得ることができ、運用への第一歩を踏み出しました。



RIMIXの立ち上げ以降、起業支援のイベント実施や、起業支援に関する教育プログラムの組織化、ファンドの設立など、ソフト面の整備をおこなってきましたが、今後の課題としては、本取り組みをさらに拡げるために、学外の方とのコミュニティづくりといったハード面の整備をどのようにつくっていくかが課題だと考えています。

2022年度から、OICにおいてコミュニティ形成の場をつくりはじめましたが、他のキャンパスにも拡大していくことで、もっと課題が加速していくことが予想されます。現在は、卒業生の起業支援が中心になっていますが、教員の起業支援はまだまだできていないと認識しているので、RIMIXの認知度を高めるところからアプローチしていきたいと思います。


社会と大学をつなぐ大学職員の役割

起業・事業化推進課は、現在3名という少数の課員で運営しています。そのため学内の他部門や外部の他企業・他機関の方々と連携をしながら、いかに協働して仕事を進めていくかが要となりますが、他大学をみても前例のない業務であること、またゼロから創出していくという観点でRIMIXの推進は苦労の連続でした。

しかしその一方、成長したいと願う学生や、自身の研究を通して社会貢献をしたいと考える教員など、各々のニーズをくみ取り、前向きな人たちと一緒に未来をつくることには非常にやりがいを感じています。起業・事業化推進の取り組みをおこなう職員は、社会と大学をつなぐ大切な役割を担っていると考えています。


どのように行動すれば多様な学生の成長支援につながるか。
現状をもっとよくしていく改革の精神を。

社会では、一つの組織の中だけでなく、地域や組織外との繋がりを活性化させることによって新たな価値を生み出すことがトレンドになりつつあります。これからの立命館の職員に求められる役割は、学園の社会的価値を高めるために、いかに他者を巻き込み協働することで、自分の所属部課の取り組みを最大化させていけるかを考えることだと思います。一人ひとりの学生の悩みを聞き解決することももちろん職員にとって必要な力量の一つですが、より多様な学生に対応するという観点もふまえ、どのように行動すれば学生を支えられるのか、成長支援につながるのかということを考え、仕組みや制度などの面で改革していくことが、今後の職員に求められる役割だと考えます。

ここ数年でペーパレス化や業務効率化が進み、職員には、ルーティンワークではなく、新しい価値をどのように生み出していくかということを考え・企画する力量が求められています。自分の頭で考え、現状をもっと良くしていく、そしてその取り組みが、社会課題の解決につながることに興味・やりがいを持てる、そんな方とぜひ一緒に働きたいと考えています。

取材日 2022年11月
※プロフィールは当時のものです。

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