「学生・生徒・児童の成長が第一」これは、立命館で働く者にとっての合言葉。時に新しいチャレンジの旗印になり、時に難しい判断をするときの拠り所になる言葉です。現在、立命館は2つの大学、4つの附属中学校・高等学校、1つの小学校を擁し、そこではおよそ4万8000人の学生・生徒・児童が学んでいます。各キャンパスでは特色ある教育・研究活動が日夜展開されています。教育や大学・学校へのニーズが多様化する中、この合言葉を実現し続けていくために、私たち職員にも自らの枠を超えて日々成長していくことが求められます。
目標に向かって、教員と職員が互いの役割と強みを活かし、チームで活動する風土は立命館が歴史的に育んできた大きな強みです。教育の質向上につながる様々な取り組み、学生支援、産学連携、新キャンパスの開設や新学部設置、中長期ビジョンの策定といった幅広いシーンでこの姿を見ることができます。各プロジェクトにおいて職員は重要な役割を担い、調査力・データ分析力・企画力・政策立案力・マネジメント力・調整力・交渉力など幅広い力量が求められます。2017年3月29日の文部科学省から中教審への諮問「大学設置基準等の改正について(諮問)」にも「各大学が、教員と事務職員等とが連携協力して業務に取り組む重要性を認識し、教職協働の取組を進めていく必要がある。」とあり、今後大学や学校運営における職員の役割はこれまで以上に大きなものになっていくことが予想されます。
建学の精神「自由と清新」は進取の気風に溢れ、自由闊達な立命館の姿を今に息づかせるものです。1869年(明治2年)に西園寺公望が20歳の若さで私塾「立命館」を京都御所内に開いたとき、1900年(明治33年)中川小十郎が京都法政学校を創立したとき、その原動力の礎がこの精神であったことを歴史から読み解くことができます。立命館は近年では80年代から様々な改革に取り組んできました。日本初の本格的な国際大学である立命館アジア太平洋大学はその最たる象徴です。「自由と清新」は“freedom and innovation”と表記します。時代の要請を見据え、高等教育の牽引役であるという自覚をもち、挑戦し続ける姿勢は立命館のDNAといえます。
立命館のイノベーティブな風土を支える重要な要素のひとつが「社会連携」です。キャンパスは常に社会に開かれていて、学生は正課・課外を問わずキャンパスの外でアクティブに活動しています。企業と連携した教育プログラムや共同研究、商品開発など、産学連携においても数々の実績があり、現在も、各キャンパスの特性を生かした取組みを実施しています。学びのフィールドは国内を超え、災害復興支援活動や国際協力事業といった取り組みも活発に行なわれています。
立命館は80年代から国際化を推進しています。88年の国際関係学部設置、アメリカン大学とのDUDP開始を皮切りに、2000年のAPU開学などを経て、2014年には立命館大学とAPUが文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)に採択されました。スーパーグローバルハイスクール(SGH)採択校をはじめ、各附属校においても先進的な国際教育を推進しています。APUでは外国籍の教員が約半数を占め、立命館大学でも「外国人及び海外の大学での学位取得者」の割合を10.8%(平成35年度)に高める目標を掲げるなど、組織の国際化・多様化も進んでいます。立命館大学では、2017年10月2日に、オーストラリア国立大学(ANU)と、 デュアル・ディグリー(学部共同学位)に係る協定を締結し、2019年4月に、 卒業時に立命館とANUの学位を取得できる「グローバル教養学部」を設置構想中です。
ここで紹介した立命館の特徴は100年を超える歴史の中で育まれてきたものの一部です。2006年に制定した「立命館憲章」では立命館の発祥から今日までの歩み、長い年月を経て育まれ大切にされ続けてきた考え方、日々の営みに対してあるべき姿勢、果たさねばならない使命が綴られています。憲章の結びには「教育・研究機 関として世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する。」とあり、立命館に関わる全ての人が、未来に責任と自覚をもち、教育・研究活動を通じて、社会に貢献していくという強い意志が込められています。