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わたしたちの働き方
教職共創の風土が織り成す「グラスルーツ実践支援制度」
立命館では、2022年度から「R2030 推進のためのグラスルーツ実践支援制度」(以下、GPSP)が始まりました。
学園ビジョンR2030 の推進を自分ごと化し、研究と教育のあり方の転換などへ向けて取り組む教職員の実践を後押しする制度です。
大学―付属校間、教員―職員間といったボーダーを越えた、自発的・創造的・そして草の根(グラスルーツ)的なプロジェクト活動を資金面から支援しています。
今回は、GPSPの制度概要や期待されることなどについて、制度運営を担当しているY.Nさんに話を伺いつつ、参画した職員の感想もご紹介します。
[ポイント]
・初年度から教職員による独創的で横断的な応募が数多く寄せられた。
・成果報告はYouTubeにて動画で発信している。
・「教職共創」をより力強く、R2030の推進を一層加速する制度である。
事務局担当者
制度発足初年度、どのような反応がありましたか。
GPSPは、立命館学園にとって前例のない制度です。2022年度に学内公募を開始した際には、果たしてどれくらいの件数の応募が寄せられるのか、またどのような内容なのか、事務局担当としては、期待半分、不安半分といった心境でした。ところが、予想は良い意味で大いに裏切られ、とても
独創的な応募が学園内各所から次々と寄せられました。
例えば、文学部に所属するキャンパスアジアの留学生と立命館小学校の児童の交流プログラムなど
大学教員と附属校教員の連携。衣笠のりつくり2022やBKCの健幸フェスタ、OICのイルミネーションなど、各キャンパスの特性を活かした地域との交流企画実現のための
教職員の部門間連携。そして、大学教員の専門的知見を生かした健康や街づくりなど
地域課題解決に向けた活動など、GPSPによる経費的支援がトリガーとなって実現した取り組みがたくさんあります。加えて、AIやDXを用いた業務改善に関わる取り組みも多数展開されました。
成果報告の方法も斬新ですよね。
GPSPでは特設WEBページを設け、各年度の取り組み概要や成果報告も併せて掲載するようにしています。成果報告については、各プロジェクトのみなさんには可能な限り、動画を作成していただくよう依頼し、事務局では
YouTubeチャンネルを開設してプロジェクトの動画を公開することにしました。これも、これまでの立命館ではなかったような情報共有のあり方ですね。動画は、GPSPに取り組まれた方々の「生の声」や「躍動感」を感じていただける絶好のメディアになっています。
【GPSP特設WEBページ】
https://ritsumei-grassroots.jp
【GPSP YouTubeチャンネル】
http://www.youtube.com/@GPSP-tw2rq
GPSPが立命館にもたらしたものとは?
大学間(RUとAPU)、大学と附属校との校種間連携や、附属校間の連携、職種や事務組織を横断したメンバーによる自由でユニークな発想に基づく能動的・創造的な取り組みを支援するGPSPは、本学園内に既存制度・予算には無い特色と効果をもたらしたことは間違いありません。GPSPは、教育、研究、社会活動といった特定のカテゴリに限定せず、幅広い取り組みを支援するとともに、所属組織や大学教員・附属校教員・職員という
職種の枠を超えて多様な人と組織が結びつく仕組みを創出することができたと言えるのではないでしょうか。とりわけ、学園構成員間のリアルなつながりがコロナ禍により希薄になりましたが、それを乗り越えてGPSPを実施したことで、立命館学園の組織的強みである
「教職共創」が再確認され、より力強いものにできたと思います。同時に、R2030の新たな立命館を創造する先駆的な実践になったと言えるでしょう。
これからのGPSPで期待されることを教えてください。
GPSPはこれまでの活動期間を通じて、当初想定した以上の参画があり、教職員による能動的・創造的な実践を支援する制度であると認知されるようになりました。またそれらの取り組みは、R2030において重要とされる、社会共創・イノベーション、DX・AIの活用、探究活動、地域交流、グローバル化、キャンパスの価値向上等に資するものなど、学内外で多数展開されました。
これまでに得られた成果や社会の変化、今後の展開が期待できる萌芽的な実践などをふまえると、GPSPの活動をさらに発展させていくことで、所属や職種を超えて多様な人・組織が緊密に結びつき、
R2030の推進を一層加速させることが期待できます。
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・1年間の産休・育休を経て、イキイキと働くスタイルを模索。